認知症 No2 

4月1日放送つづき

ナカノメすかやかDAY 毎週水曜日 15:30から 

認知症とは「一度正常に発達した知的機能が後天的な脳の器質障害によって持続的に低下し、日常生活、社会生活が営めない状態である」(厚生労働省HPより) この定義は医学的なモデルですが、標準的な解釈とされています。しかし、この定義では脳の障害が原因で発症すると改善の余地はない疾患と見なしています。

しかし、この点は長谷川先生の本でも指摘していますが、「認知症になっても、連続した時間を生きており、感情も意思も認知症になったからと言って突然人が変わるわけではない」との発言に私自身も医療介護従事者として考えさせられます。

長谷川先生は相手の言うことを良く聞いてほしいと主張します。 認知症を介護する人の中には「こうしましょう」「こうしたらいかがですか?」と話を進めてしまう人がいますが、そのような態度では認知症の人は混乱し、思っていることが言えなくなってしまうのです。時間を掛けて、相手の言うことを待って欲しいのです。自分が介護する側になったら、相手の話に時間を掛けて聴くのは難しいとおもいます。でも大切なことなのですね。

私も認知症患者を在宅訪問しています。薬の話はあまりしていません。むしろ、言いたいことを聴くように心がけています。毎回同じ話になることが多いのですが、初めて聞く態度で対話をします。同じ話でも微妙に違うこともあるからです。 認知症の人は、話し相手が自分の味方かそうでないかを瞬時に見分けると聞いたことがあります。真偽は不明ですが、私は真実と思っています。