舌のはなし その2 舌の色

舌を見る時には、色・形・表面の状態の3点がポイントになります。

色には淡紅、淡白、紅、暗紫の4色が代表的です。舌の色は気血水の流れや量を表します。

  1. 淡紅・・・正常または風邪の引き始めなど
  2. 淡白・・・気や血の不足、冷え症の方に多い。
  3. 紅・・・・・水分不足(陰虚)、熱がある状態
  4. 暗紫・・・瘀血・・・舌の裏側の静脈が膨れていることが多い。(写真)

 

 

 

 

瘀血は年齢に関係なく女性に多く見られます。 瘀血体質の方は頭痛、肩こり、生理痛などを伴うことがあります。 漢方薬での対処法には、冠元顆粒、血府逐瘀丸があります。 

舌を見れば・・・ 舌も色々

 お酒を飲みすぎた翌朝、鏡に映る顔がやや浮腫んで見える。寝不足の所為か欠伸がでる。こんな状態の時に「舌」を良く見ると、水を含んで腫れたようになり歯型がついている。さらに舌の表面を覆い隠すように白い苔の塊が浮いている。(←水湿)
 このように舌は体質や体調を物語る重要な手掛かりになります。
 代表的な舌の特徴を通じて、自分の体質を知る切っ掛けにしませんか。
 

正常な舌は、綺麗なピンク色です。苔は薄く白色で大きさも口いっぱいに広がり、歯型は見られません。(正常舌) 漢方は病名によって処方が決まるのではなく、体質によります。 処方決定のための診断方法には四診(望、聞、問、切)がありますが、舌を見るのは望診の一つです。薬局では問診とともに重要視しています。 

ダイエット

平成23年7月号

平成23年7月号

ダイエットで上手くいかない人は
①すぐに結果を求めてしまう。
②簡単な方法に直ぐに飛びつく
③偏った食生活を続ける方法を実施する
など。色々な原因があります。
ポイントは、ダイエットを目的にしないことです。
現時点での自分の身体の不調に耳を傾けてみませんか?
たとえば、水太りタイプの人は、汗をよくかいて、疲れやすい不調を伴った肥満が多いのです。その場合には、体重の減少を重視するよりも、疲れやすく、汗をかきやすい体質に目を向けるべきでしょう。その体質を改善する気持ちで漢方薬を続ければ、自然と体重にも変化が現れます。
今まで様々なダイエット法で挫折を味わった方は是非漢方で体質改善ダイエットを始めてみませんか?

ストレス

平成23年6月号

平成23年6月号


漢方ではストレスにの影響を受けやすい臓器に肝です。
肝は、西洋医学の肝と異なり、感情や気血の流れを調節する臓器としての役割があります。
ストレスで気血の流れが悪くなることで、動悸や肩こり、頭痛が見られることがあります。
さらに、胃腸の働きを阻害します。また、血が心に行き渡らなくなり、心に熱を帯びて不眠の原因にもなります。
早めの対応を考えましょう。

貧血

新シリーズ 第1回

新シリーズ 第1回


貧血の原因として「鉄欠乏性」「腎性」などがありますが、漢方では原因ではなく、結果として「血」の不足として考えます。そして「血虚 けっきょ」と言います。
血虚の症状・・・めまい、立ちくらみ、冷え症の他に乾燥肌、白髪や抜け毛、生理量の減少、爪が割れやすくなる などがあります。
改善法
基本漢方 婦宝当帰膠、四物湯、プラセンタ
①食欲不振のある人は・・・香砂六君子湯、参苓白朮散など
②浮腫みがある人・・・当帰芍薬散、五苓散など
③ストレスが強い人・・・逍遥散、キュウキインなど
④不妊の方・・・周期療法をおススメします。

疲れ目

2011年3月号

2011年3月号


「飲む目薬」として根強い人気の「杞菊地黄丸」は、次のような症状におススメです。
・目の乾燥
・のぼせ
・腰痛
・頻尿
・口の渇き
以上の症状を中医学で肝腎陰虚といいます。
中高年になると、避けては通れない症状です。
腎を補って長寿をもたらすと言われる漢方薬には名前に地黄丸が付くものが多くあります。
八味地黄丸、知柏地黄丸、麦味地黄丸、六味地黄丸などが代表的です。 それぞれの地黄丸には特長があります。
今回の杞菊地黄丸は六味丸(地黄、山薬、サンシュユ、茯苓、牡丹皮、タクシャ)にクコと菊花を加えたものです。クコ+菊花に目を守る効果(肝に作用する)があるので飲む目薬を言われています。

関節痛

2011年2月号

2011年2月号

漢方で関節痛を緩和させるには、次の点に気を付けましょう。
①虚実・・・身体に必要な成分(気・血・水)の不足で生じた痛み(虚証) 病邪(寒さ、熱、湿など)によって生じた痛み(実証)に分けます。
②寒熱・・・患部の感覚です。患部が冷たい(寒証・・温めると症状緩和)。反対に患部に熱を持つ(熱証・・・冷やすと症状緩和)
この2つの違いで薬を使い分けます。
例えば、慢性的な変形性の膝関節痛では、虚証のケースが多く、気血を補いながら、痛みを緩和する漢方薬が一般的です。
代表的な物には、「疎経活血湯」「独活寄生湯」などがあります。

風邪

2011年1月号

2011年1月号

日本では風邪の漢方と言えば「葛根湯」ですが、本場中国では違います。薬は症状と体質毎に使います。
・初期・・・寒気あり・・・頂調顆粒など
寒気なし・・・涼解楽など
・慢性・・・吐き気あり・・・小柴胡湯など
咳が続く(空咳)・・・滋陰降火湯など
便秘・・・防風通聖散など
食欲不振・・・補中益気湯など
初期には板藍根を併用すると改善が早いです。
カゼは万病の基、早めにご相談ください。

冷え症

12月号

12月号

漢方で遺伝による体質を先天の本(せんてんのほん)と言います。先天の本は腎精ともいわれ、腎精を維持することが、不老不死の繋がると考えられてきました。
12月に入り寒さが一段と厳しくなると「冷え症」の相談が多くなります。その中で、生まれつき冷え症という方がかなりおります。この方は腎精が生まれつき弱いことが、考えられます。その場合、冷え症だけでなく「生理不順」「不妊症」などの症状が見られることもあります。漢方では「腎陽虚」といい、鹿茸、地黄など補腎薬での養生が欠かせません。
今回お勧めする「参茸補血丸」は冷え症改善の切り札です。その違いを実感ください。