台風などの風水害に備えて避難行動を考えてみませんか
・近年、全国各地で台風などの風水害により、大きな被害を受けており、関東・東北豪雨では約4,200人、令和元年東日本台風では約330人の方が逃げ遅れて被害にあっています。
・台風などで川が増水しているとき、被害にあわないようにするためには、ハザードマップを確認したり、マイ・タイムラインを作成するなど、いつ、どのような行動をとれば良いかを考え、平時から準備をしておくことが大切です。
マイ・タイムラインを作ろう
災害から身を守るためには、適切に避難することが重要で、災害時の個人の防災行動計画(スケジュール表)であるマイ・タイムラインを事前に作っておくと、いざというときの避難に役立ちます。
このページでは,マイ・タイムラインの作成手順や作る上で確認しておくべき大切なことを紹介しています。
◇マイ・タイムライン(個人防災行動計画)とは
◇ マイ・タイムラインはどのように作るのか
◇ マイ・タイムラインの作成例
◇ なぜ作ったほうがよいのか
◇ マイ・タイムラインの作成手順
(1) マイ・タイムラインを作る際の注意点
(2) マイ・タイムラインを作ってみよう
マイ・タイムライン(個人防災行動計画)とは
大規模な台風などから自分の身を守るためには、台風が近づく前に取るべき行動をあらかじめ作っておくことがいざというときの避難に役立ちます。
個人個人が作成するこの行動計画を『マイ・タイムライン』と言います。
マイ・タイムラインはどのように作るのか
マイ・タイムラインは,水害に備えた自分自身の行動計画表です。自分の住んでいる場所や家族に合わせて作ります。
防災タウンページや町のハザードマップ※1を見ながら、住んでいるところで水がたまりやすい場所や安全な場所を確認して、家族全員が避難するのにどのくらい時間がかかるかなどを考えながら下のように「いつ」「なにを」するかを考えてみましょう。
※1ハザードマップは、川から水があふれたときに危険な場所などを色で表した地図です。
市町村が作っており、安全な避難所の場所など様々なことが書いてあります。
マイ・タイムラインの考え方
例えば、川が氾濫(はんらん)する3日前に台風の発生を知った場合に、避難するまでにどのような準備をするのかを考えてみましょう。
(備えの例 )
◇氾濫の3日前
ニュース等で台風の進み方や強さを確認する。
◇氾濫の2日前
避難時の持ち物を準備する。※2
避難に備え、健康状態を確認する。※3
◇氾濫の1日前
行政からの情報に注意し、いつでも避難できるようにする
※2避難する時に一緒に持っていく物は事前に用意しておきましょう。
例えば次のようなものが考えられます。
飲料水、食料品(カップめん、缶詰、ビスケット、チョコレートなど)
貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手
懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器
衣類、下着、毛布,タオル
感染予防に必要なもの(マスク・アルコール消毒液・体温計・スリッパの衛生用品など)
※3避難所での感染症対策のため、体調がすぐれない方や感染症の疑いがある方は早めに保健所などに相談しましょう。
マイ・タイムラインの作成例
マイ・タイムラインは、初めて作る方には少し難しいので、作成例を用意しました。
この作成例を参考にしながら、自分の行動計画を記入することでマイ・タイムラインを作れるようにしています。
皆さんも作成様式などを利用し、マイ・タイムラインを作ってみてください。
なぜ作ったほうがよいのか
水害から自分や家族の身を守るためには、早いうちから安全な場所に移動しておくことが大切です。
しかし、近年の大規模な水害では,逃げ遅れなどにより、多くの住民の方が被災されていました。
平成30年7月豪雨や令和元年東日本台風では,避難を考えるために大切なハザードマップや避難情報などについて、その重要性などが十分に理解されず、避難行動を決断できない方が一部いたことや、そもそもハザードマップや避難情報が十分に知られていないことなどが課題とされています。
早めに適切に避難し、水害から身を守ることができるよう、マイ・タイムラインの作成をとおし、ハザードマップや避難情報等を正しく理解し、一人ひとりがいつ、どこへ、どのように避難するかを事前に考えてみましょう。
マイ・タイムラインの作成手順
(1)マイ・タイムラインを作る際の注意点
次のことを確認してからマイ・タイムラインを作りましょう。
1.自宅周辺の災害リスクや避難所の場所を確認しよう
まずは、自宅や自宅の周辺が、豪雨や洪水の際に浸水する可能性がないかを確認しましょう。
あなたのお住いがハザードマップで着色されていたら、浸水する恐れが高い地域です。
台風や豪雨の際には避難を考える必要がありますので、最寄りの避難先を確認しておきましょう。
※着色されていないところでも災害が起こる可能性があります。周りと比べて低い土地や川の近くにお住いの方は必要に応じ避難できるようにしておきましょう。
ハザードマップや避難先の確認するときには、次のフローやチラシを参考にしてください。
2.避難の合図となる情報を確認しよう
町では、災害の発生や発生の恐れがある場合に、避難指示などの避難情報を発令します。避難にかかる時間などを考え、どの情報が出たら避難を開始するべきか確認しておきましょう。
避難情報住民が取るべき行動高齢者等避難
【警戒レベル3】
ハザード内(浸水の恐れが高い地域)に住んでいる人のうち、避難に時間のかかる人(高齢者や障害のある方など)は避難する
避難指示
【警戒レベル4】
ハザード内(浸水の恐れが高い地域)に住んでいる人は、全員避難する事前に決めていた避難先への避難が危険な場合は近くの安全な場所への避難や屋内安全確保も行う
(2)マイ・タイムラインを作ってみよう
自宅周辺の災害リスクや避難情報について確認された方は、マイ・タイムラインを作りましょう
【作成手順】
1.台風の発生を川の水が氾濫する3日前と想定し、3日間の間に個人が行う防災行動の例を用意しています。
これらを自分ならどのような順番で行うか並び替え、3日間の中のどのタイミングで行うのかを考えましょう。
2.上記作成例や「作り方と作成例」を参考にしながら、作成様式内の防災行動を並び替えましょう。
3.防災行動の例のほかにも、自分の家族構成や生活環境から必要だと思う防災行動があれば、書き足して足してください。
最近では新型コロナウイルス感染症に備えた対策などが重要です。
マイ・タイムラインは家族の構成や年齢が変わることによってどんどん変わっていきます。
1年に一度は、マイ・タイムラインを見直して、行動の追加や変更を加えるなど、自分の生活に適したものにしておきましょう。