認知症 No3 治療薬とその限界


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現在臨床に用いられているのは神経伝達物質に関連する薬で4つです。 そのうち3つが、神経伝達物質アセチルコリンの減少を抑える薬です。最初の薬がアリセプトといいます。この薬は日本の製薬会社の研究所で15年にも研究開発の成果として1999年に世界初のアルツハイマー型認知症の治療薬として発売され注目を集めました。今でも軽度から重度に処方されます。

開発者の杉本八郎さんは高校卒業後製薬会社に研究補助員として就職したのです。大卒との待遇の格差に奮起して、働きながら夜間の理工学部を卒業するという苦労人です。 大学卒業後も研究職を続け高血圧治療薬などの開発を手掛けていたのです。 しかし、女手一つで自分を育ててくれた母が認知症になり、治したいという一心で製品化したのがアリセプトです。

製品に辿り着くまでには紆余曲折、いくつもの壁を乗り越えたとNHKテレビの逆転人生「執念の開発 世界が驚いた認知症治療薬」で昨年放送されていました。 当時は世界初の認知症治療薬として注目されました。しかし、認知症の進行を遅らせるのがこの薬の治療目的であるため、治せるのではありません。